副甲状腺の病気

副甲状腺ホルモンは、カルシウムの代謝を司っています。
このホルモンが過剰に分泌されると、血液中のカルシウムは上昇し、
リンは減少します。逆にこのホルモンが減少すると、カルシウムが
低下して、リンは上昇します。比較的希な病気と考えられておりましたが、
カルシウムやリンは検査されることが少なく、見逃されている患者様も多いようです。

日本では、病院を受診する方の2500人〜5000人に1人の割合で、
この病気が発見されるという統計があります。欧米ではかなり頻度が高く、
人口700人に1人位です。驚くべきことに、北欧では非常に多く、スウェーデンでは
60歳以上の女性の100人に1人はこの病気があるそうです。
(癌研究会付属病院顧問、藤本吉秀先生の著書による)


副甲状腺ホルモン過剰症


専門的には、原発性副甲状腺機能亢進症と表現します。
原因の大半は、副甲状腺の良性の腫瘍によるもので、
希に副甲状腺の癌によるものもあります。

症状の程度により三つのタイプに分類されます。

  1.化学型     血中カルシウムが軽度上昇するだけで、
             無症状の事が多い
  
  2.尿路結石型  その名のとおり、腎臓結石ができるタイプ
  
  3.骨型      血清カルシウムは、1.2.よりさらに上昇して
             12〜13mg/dl となり多彩な症状をきたす

病院で医師が、カルシウムとリンを検査して発見されるケースが少なくありません。
腎結石のできやすい方は、2.のタイプを疑って、必ずカルシウムやリンを
検査してもらいましょう。
3.の骨型は症状が多彩で、医師が副甲状腺ホルモン過剰症を疑わないと
診断は困難です。高カルシウム血症があると、難治性の胃潰瘍がけきやすくなります。
治りにくい胃潰瘍の方も、一度はカルシウムとリンを測定してもらいましょう。


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