亜急性甲状腺炎とはどんな病気?

発熱と甲状腺部の痛みを特徴とする病気です。
38℃以上の熱がでることも少なくありません。
夕方から夜にかけて、熱は上昇します。
解熱剤を服用すると、熱は下がり気分も改善します。
治ったと思って解熱剤の服用を中止すると、また熱がでてきます。
これをくりかえします。

注意深く自分の症状を観察できる方は、前頚部、特に喉仏の直下に痛みがあり、
押すと痛いことに気がつきます。この痛みは、日によって右や左に移動します。
熱とこの痛み、甲状腺ホルモンの過剰による動悸、以外の症状はあまりありません。
かぜやその他の発熱を来す病気と違って、全身状態は比較的良好です。
別な表現をすると、熱があっても寝込まずに過ごせる方がおられます。
患者さまは、かぜと思い受診されることが多いようです。

症状の経過と甲状腺部の痛みから、経験のある医師にとっては診断は簡単です。
医師は亜急性甲状腺炎を疑ったら、血液検査を行います。
血液検査では、血沈(血液沈降速度)の数値が非常に大きくなるのが特徴です。
甲状腺が破壊され、そのため血液中の甲状腺ホルモン濃度が上昇します。
いわゆる甲状腺ホルモン過剰状態となります。

更に専門病院では、放射性ヨードを用いた検査も行い、診断が確定されます。
この病気は、無治療でも自然にいつかは治るのですが、ときには治癒過程で
甲状腺ホルモンの欠乏症に陥ることがありますので、しばらくは定期的に
甲状腺ホルモンを測定する必要があります。

ごくまれに、永続的な甲状腺ホルモン欠乏症にあることがあり、
一生甲状腺ホルモン剤治療が必要になることもあります。
また、二度かかる方も少なからずおられるようです。
当医院でも、数年に1人位の頻度で発見されます。



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